■ 肺機能検査 
 スパイロメーターという測定器を用いて、被検者に最大量の空気の吸い込みおよびはき出してもらい、肺から出入りする空気の量(肺の容積変化)や速度を記録します。 このようにして記録されたグラフ(スパイログラム)から肺気量分画を計算することができます。
 肺活量と呼ばれている部分はこの中で、1回の呼吸で可能な最大限の呼吸量をいいます。肺活量の正常値は、被検者の年齢・性別・体格から算出された肺活量予測値と比較して80%以上とされています。これより肺活量が少ない状態は拘束性の換気機能障害とよばれています。
 また、この検査ではゆっくりした呼出と最大限に勢いよく呼出の両方のやり方で測定します。これは呼吸される空気の通り道(気道)や肺の弾性などの影響により、勢いよく呼出した場合に通気を出し難くなる現象をとらえます。このようにして呼出された最初の1秒間で出された量を1秒量とよび、肺活量に占める1秒量の割合を1秒率とよびます。この1秒率が70%以下となった状態を閉塞性の換気機能障害と呼んでいます。
 拘束性・閉塞性の両方の換気機能障害がみられた場合は混合性の換気機能障害といいます。
 勢いよく呼出した時の空気の速度と量の変化よりフローボリューム曲線というものを記録します。この曲線のパターンからも換気機能障害の程度を鑑別することができます。